やっと見つけたー。探したんだよ？　
それじゃあ、一緒に帰ろっか♪

そういえば……言いたいことが、
いや聞きたいことがあるんだけどね……。

えーっと、今日はバレンタインじゃない？
もう誰かからチョコもらった？

え、貰ってない……そっかぁ！
え？な、なんでもないよ！

でも、怪しい。本当に貰ってないよね？
これで誰かから貰ってたら、私落ち込んじゃうよ～。

あ、ごめんね。
なんだか、すごく気になっちゃって。

じゃあ、今年も渡すのは私が最初だね。
はい、チョコレート。
あなたが好きな甘さで作ってみたんだ♪
食べてみて♪

どう、美味しい？
――よかったぁ。
ちゃんとあなたの好みの甘さ覚えてたから、
褒めてほしいなぁ～。

――ふふふ。本当に褒めてくれた。
こっちこそ、美味しいって言ってもらえて
うれしかったよ！

これからも、ずーっとバレンタインは
私のチョコを食べてほしいなっ♪

今日がなんの日かって、
バレンタインデーでしょ？

んー、私はみんなほどは盛り上がれないわね。
チョコが嫌いってわけじゃないんだけど。

それに特別な日じゃなくたって、
エマや彼方がお菓子を作ってくれるもの。

そういう意味では、毎日が
バレンタインデーみたいなものじゃないかしら。

あ、もしかしてキミ、
チョコレートが欲しかったりするの？

ごめんなさいね、
私、今日チョコ持って来てないのよ……。
ん？そういうことじゃないって、どういうこと？

――え。これ私に……？
あ、ありがとう。いきなりだから驚いたわ。

ふふふ。バレンタインデーは盛り上がれない、
とか言ったけど、キミから貰うと
少し認識も変わるわね。

ねえ、ちなみにこのチョコって
義理？本命？
ほら、正直に言ってみなさい。

もう、視線をそらそうとしても無駄よ。
素直な気持ちを白状するまで、
今日は私がキミを見つめ続けちゃうんだから♡