わぁ、人がいっぱい……。
浴衣の人もたくさんいて、お祭りって感じだね♪

――え、私の浴衣も似合ってる？
ありがとう！とってもうれしい。

よし、早速屋台をまわろうよ。
私はリンゴ飴と、たこ焼きと、焼きそばも……って、
食べ過ぎかな。
あっ、金魚すくいだ。ちょっとやってみない？
愛ちゃんがとっても上手みたいで、
気になってたんだよね。よーし！頑張るぞー！！

――もう少し、もう少しこっちに来て金魚さん！
あー、ダメだ～。全然うまくいかないよ～。

……あはは。結局、1匹もすくえなかったね。
お店のお姉さんも笑われちゃった。

やっぱり、
1匹サービスでもらっておけばよかったかなー。
でもやっぱり自分ですくいたいし…それに、
また来年もこうやってあなたとお祭りに来れば、
チャンスはあるかもしれないし……。

その時も、一緒にこうしてお祭りを楽しめたら、
私はとっても幸せだなぁ。

お化け屋敷なんて、どうってことないですよ。
所詮、
人を怖がらせようと作られたものですからねっ！
ちょっと体にふれてくる飾りみたいなのとか、
でっかい音とか、
冷たい風でビックリさせてるだけですから。

そういえば、先輩はお化けを信じてますか？
ちなみにかすみんは、全然信じてないです！
だって、見える人と見えない人がいるとか、
そもそもウソっぽいんですよー。

いるんだったら、
堂々とかすみんの前に…ぎゃーーッ！
い、今、かすみんの肩さわりました……？

――え、さわってないんですか……。
ということは……違いますよね？
お化けじゃないですよね？

なんですかわからないって…わーーッ！
いきなり、あの部屋から大きい音が……。

これ、出口に行くには、あの部屋の前を
通らないといけないじゃないですか！

いや、怖いわけじゃないですよ。
ただ、ちょっと……ひーーッ！風！風がーーッ！

――こ、怖がってません！
で、でも……ここからは先輩が先頭で、
お願いします…。