ちっすー。ん～？　どうしたの朝からそんな目を見開いちゃってさー。なんか愛さんに変なところあるかな？
あっ、この髪色ね♪　心機一転ってやつかなー。たまには黒いのもいいんじゃないかと思ってさ～！
どう、似合ってる？　いや～、染めるときは結構勇気いったんだよ～。思っている以上にさ！
まあ、詳しい話はランチの時にでもしようよ。それじゃ！　またね～。
――――お～い、こっちこっち！　どうしたのさ、朝よりすごい顔してさ、愛さんの顔になんかついてる？
あ～～、そういうことか。愛さんの髪色が一瞬にして変わったのに驚いてるな～！
ふっふふ。図星かな？　今日はエイプリルフールだからね。じつはあれ、ウィッグだったんだよ！
気がつかなかったかね、君ぃ。愛さんと黒髪はかみ合ってなかったでしょ～、髪だけに！
ま、このくらいのドッキリみたいなウソなら、1年に1回くらいはついてもいい気がするよね♪
君のいろんな顔も見られたことだしね！

楽しみだなぁ。虹色の桜って、すっごく珍しいんでしょ？　私生まれてから見たことないもん。
え!?　100年に一度しか咲かないの？　次に見られるとしたら、おばあちゃんになってるね。
それにしても、急にあなたから、「虹色の桜を見に行こう」なんて連絡が来たからビックリしちゃった。
お天気もいいし、きっと桜も見ごろだろうから、とっても素敵な日になるだろうねっ♪
私、虹色の桜が見られたら、写真を撮りたいな。もちろん、あなたも一緒にだよ！
――あれ、どうしたの……？　さっきからすごい汗だけど、具合悪いの……？　それに、なんか目も泳いでる。
ん～～～？　私の目を見て、正直に答えてね。何か隠してることがあるんでしょ？
え～！　虹色の桜のお話ってウソだったの!?　もう、どうしてそんなウソをつこうと思ったのかな。
――そっか。エイプリルフールだったんだ。あはは、これは気がつかなかった私も悪いね。
でも、理由なんて関係なく、あなたとお出かけできたから、私は嫌じゃなかったよ……？